2008-11-14

なんて整理整頓が出来ない古本屋だ。棚をはみ出し、つみあがり放題。背表紙はどこにある。タイトルが見えないぞ。恵比寿某書店にて。
「茶器解説」
適当に本をひっくり返したりしていたら出てきた。
表紙は手作りか?
なんかわけがわからない紙で包まれているが、タイトルはしっかり「茶器解説」とある。
めくると埃っぽい。しかし、ぺらりとうずくまる(蹲る)が出てきた。
「うずくまる(蹲る)」とは何か。自分で言ったギャグを面白かった?って聞く男、それは「うざすぎる」である。
「うずくまる(蹲る)」とは、花器だ。蹲ったような形をした、それはボテンとした、花器。伊賀の荒々しい肌にゆるい口元、ビードロが一筋たれる。伊賀は最高に好きだが、この「蹲る」ほど見とれるものは無い。白椿が似合うのだ。

しばらく前に、「禅・茶・花」という東京美術倶楽部主催のすばらしい企画展へ行った。その暗闇の一室に、壁に蹲るがかけられ、ちょこんと白椿が顔を出していた(上の写真)。なんともいえないそのかわいらしさ。
かつて展覧会で見、雑な古本屋で再度見る。3度目の正直、次回は、わが手中に!
2008-04-24

黒田泰蔵さんのうつわはしろいというよりも空白にちかい。フォルムが環境との切れ目となって、存在がくっきり切り取られている。そこに迫力がある。でも、静かで穏やかなたたずまい。不思議なうつわだ。
黒田泰蔵さんが使うろくろも不思議だ。

↑(カーサブルータス2008年3月号P79より引用)
床から棒が突き出し、その先っぽに円盤。ライトが向けられる。
足元に銀色のペダル。ろくろに動力を発生させる装置。
テーブルがコの字に囲み、目の前には小さな窓。自然がのぞく。
それ以外、なんにもない。
これが「陶芸をする場所」なのか?
何かもっと神聖な儀式が行われる場のようだ。
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2008-04-23

麻布のポワンタージュでサンドイッチを食べ終わった後、白いうつわしか売っていない「さる山」というギャラリーに行った。
実際には、白いうつわだけでなく、黒いうつわと古いうつわも置いてあるが、それよりも何かただならぬ雰囲気を持った空間であった。今振り返ってみると、荘厳なクラシックが流れ、すみずみまで美意識が行き渡った完全なる空間だった。
ある記事の中でインタビュアーは、オーナーの猿山さんに、「デザイナーと演奏家とうつわ屋の3つもやっていてすごいですね」という質問をした。
彼は、「どれか1つじゃ食えないですから」と答えた。
隙を見せない完全な美のような答えを期待したが、それとは裏腹で実に人間臭かった。好感が持てる人だと感じた。
食えないのはウソかもしれないし、本当かもしれない。でもその回答の中に、自信と喜びがにじんでいる、と思った。そういう人が作るギャラリーが一番楽しい。
さる山はぼくが行ったことがあるギャラリーの中でも、きつい美意識でぎゅっと引き締められている。空気を含めて、すべてが整頓されている。
ものは決してぼくたちに媚を売らない。選ばれるのを待っているようで、拒否するような。あなたに美意識があるかと、試されているような錯覚さえ。
古びた棚からそっと取り出してみた。無釉のしろいうつわだった。きゅっとしまった腰から上方へ向かって反りあがるフォルム。見た目に反してざらっとした手触りがむしろ官能的だった。
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2008-04-09

真っ白な磁器土に、とろりとした青い釉薬。加藤委さんのうつわだ。
土をちぎったり、面取りしたり、ゆがませたりして、土をいろいろいじくる。とんがってて手に持ったら痛そうなうつわもあるけど、すごく神秘的でかっこいい。
一度だけ、展覧会でお話をしたことがあります。
春日部にあるうつわ屋さんでのこと。店内に入ると、作品がたくさん並べられている。約120点もあるらしい。初日なのに、もう売れたということをあらわすシールがいっぱい。人気、人気、大人気。
僕も「買おう」という気持ちできたから、1つ1つぐいのみを握り締めてみる。
加藤委さんのぐい飲みはひんやりつめたい。側面が面取りされていて、口元がうすくて、唇が切れそうだ。でも、冷たい日本酒を入れたら、すぅーっと液体がのどまで届くことを想像したら、生唾ごくりである。ぐいのみは、ひとつひとつ形が違う。遠くから眺めたり、手に持ったりして、選ぶ。これが楽しい。
すると、
オーナー「委さんの作品ははじめてかしら?」
わたし「えー二年前に花瓶のようなオブジェのような変な形のものを一度見ました」
加藤さん、入ってきて、
加藤さん「あーそんな作品作ってたなー」
話ははずんで、加藤さんの土の白さについて。
加藤さん、たまたま店にあった有田焼をもちあげて、自分の作品と比較して見せてくれた。加藤さんの土が圧倒的に白い。チョークの白さ。
磁器と一口に言っても、焼いたらグレーになってしまうものが多いという。つるつるで白いとされる有田焼でも、加藤さんのものに比べるとややグレー気味。
土はニュージーランドカオリンというものに、あるものを加えて作っているみたいです。でも、その土はろくろがひきにくくて、土が上に向かって立ち上がらずへたってしまうそう。だから、さっとひいて、終わり。
へたろうが、へたるまいが、それは、作品を作るうえで重要なことではないということです。その土の個性を受け入れて、うつくしいかたちを見つける。
ぐい飲みを買って、器を包んでもらう時間の会話
多治見の30代の若手作家はがんばってるみたい
弟子にパラミタ展で負けた話?
加守田次郎さんの話(加守田章二の息子)
半農半陶の作家さんが作品にものすごく安い価格をつけちゃう話
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