目を覚ますと、京都に着いていた。AM11:00。ホームの階段を降り、横目で「烏丸線」の看板を探す。途中、重い荷物をコインロッカーに預けて身軽になる。財布とカメラだけもって、地下鉄へ滑り込む。まだ京都の景色を見てはいない。
最初の目的地は龍安寺に決めた。明るい時間にしっかり見ておきたいと思ったからだ。好物は先に食べてしまおう。
京都駅から約10分。「イマデガワ」という普段聞きなれない駅名に旅の新鮮さを感じる。そして下車。地上へ出る。晴天。京都へ来た。ここから、龍安寺行きのバスへ乗るのだ。

バスは定時に来た。ぼくを含めた幾人かの観光客とともに乗り込む。窓の外に広がる京都の町並み。観光客で賑わっている。活気がある町だ。
途中、金閣寺を通過する。中学生のころの修学旅行を思い出す。そのときは、雨が降っていた。薄暗い中にたたずむ金閣寺。そのイメージは「キンカクジ」という言葉を耳にするといまでも脳裏をよぎる。なぜかそれはもの哀しい記憶で、当時のぼくがそのとき何を思っていたのかは分からないけれど、漠然と雨の中の金閣寺というイメージがついてまわる。
そんな記憶は京都という町自体に暗い影を落として、しばらくの間は決して好きな町とは言えなかった。当時は、自分の国の歴史や文化なんて、教科書の中の話。現実の自分の生活とはなんら関係ないものだと思ってもいたし。それが、こうして、自ら京都へ行きたいと思うようになった。人間とは不思議なものである。と、そんなことを考えていると中学生の修学旅行生がこれでもかとバスへ乗り込んで来た。さっきまでがらんとしていたバスは満員になる。彼らも当時のぼくと同じように金閣寺を見ることが目的ではなくて、何かもっと他の大切なものを捜し求めるそれぞれの物語の中にいるのだろう。金閣寺はストーリーの背景に過ぎない。しかし、それでもバスはぼくと彼らを乗せて龍安寺へ向かう。
着く。


このアプローチ。先に何が待っているのか、歩を促進する光景である。
ざくざくと砂利道を進む。あらためて晴天。京都の空気を味わう。

入場門からは観光客が逆流してくる。

奥へと訪問者を誘うランドスケープ。




そして、石庭に着いた。




整理すること。清潔さを維持すること。

しばらく、この光景に身をうずめていたいと思う人はぼくだけではない。
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