高山なおみ たべる しゃべる
2008-05-01
![]() | たべる しゃべる (2006/07) 長野 陽一、高山 なおみ 他 商品詳細を見る |
「たべる しゃべる」。
料理家の高山なおみさんが、友人宅を訪れ、出張料理。食べながら、話しながら、相手のことを深く掘り下げていく本。読後、無性に誰かとご飯が食べたくなった。
ぼくは高山なおみさんがどんな料理をするのかについてはこの本に載っているメニューくらいしか知らないけれども、高山さん自身は気持ちいい雰囲気を持った人だと思った。料理研究家の中でも特に人気が高いと耳にするけれども、分かる気がする。
気持ちいい雰囲気って一体どこからでてくるのだろうと考えてみると、「おわりに」というあとがきに少しヒントがある気がする。
寝る前の布団の中で、(さーて、明日は何を作ってあげようか…)と思いあぐねる。冷蔵庫の中のもやしとニラを早く使いたいから、お好み焼きにしようか。卵もまだあるし、豚肉も冷凍庫に入っている。ごまをすって醤油とにんにくのたれで、韓国風にしようかな。
こんな風にして、私の一日は終わります。
食べてくれる誰かがいつも近くにいるから、私の「料理作りたい熱」は、日々こうして、せいせいと晴らすことができる。
ずっと昔、一人暮らしだった頃、いったい私は自分のために、何を作っていたのでしょう。
このあとがきから、高山さんはいかにおいしい料理を作るかよりも、まず、「食べてくれる誰かがいる」という生活自体がすばらしいことだ、と感じている風に思える。
例えば、自分で作った料理を好きな人に食べてもらう。料理をテーブルにセットし、覗き込んだ彼氏・彼女から言葉が出るまでの間。料理を口に含んで、感想を一言漏らすまでの間。「おいしい」という言葉が出るまでの一瞬の緊張感を味わうことは、本当に当たり前だけれど他者がいなくては成り立たないこと。もちろん、「うまいうまい」と食べ物をほうばる顔を見ることも、他者無しでは成り立たない。価値ある瞬間だと思う。
高山さんは、食べてくれる誰かのために料理するから、「料理すること」=「誰かを喜ばせること」に直結してる。まだ料理を作っていないにもかかわらずワクワクしてることが文章全体に広がっているし、写真の表情からも楽しさが伝わってくる。誰かを喜ばせることが楽しいというシンプルで明るい考え方は共感できる。
そうすると、多くの高山なおみファンは、まず、誰と食べようかと考えて、ワクワクして、そしてレシピを再現して、たべながらしゃべる、という時間を楽しむに違いない。料理ができないぼくにとっては、うらやましいことだ。
それにしても、高山さんの周りにはいい男達が集まる。夫のスイセイ、ハナレグミ永積タカシ、アノニマスタジオの丹治史彦、タミゼの吉田昌太郎、写真家の齋藤圭吾、デザイナーの有山達也、作家のいしいじんじ。
料理ができる人の周りには自然と人が集まってくるのだろうか。
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