京都、滋賀、大阪、陶磁をめぐる旅1/5

 2008-06-19

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金曜日、就業中。定時はとっくに過ぎ、残業代の出ない、無為な仕事をこつこつとこなしていた。そんなときに、「ああ、明日から1泊2日の京都旅行に行こう」と自分にむちゃぶりしてみるのも、時にはいいぞ。かくして京都、そして滋賀、大阪への旅が始まる。
会社を出て、本屋に立ち寄る。京都に行くための観光ブックを買わなければ。京阪神エルマガジンという会社が作っているアートを楽しむ京都地図本、というおしゃれな感じなものを一冊購入し、帰りの電車で、勝間和代ばりのフォトリーディングを展開。その後、行きたい場所をチェックしていったが、本当に行きたいところはすでに決まっていた。

残業中に、京都へ行こうとひらめいたのは、なにも偶然ではない。すべては必然である。

先日、北千住にある某古本屋にたまたま入って目が留まった伊藤ていじ氏の「デザイン論」。ぱらぱらめくり、名著と確信。何千と積まれている古本から一冊の満足いく本を見つける。すべては、偶然である。そして、仕事の合間にたまたま立ち寄った本屋で、ぼくの心臓の高さに置いてあった原研哉の近著「白」を購入。この二つの本に共通するもの、それは京都であった。

伊藤氏のデザイン論は、主に建築的デザインについての論考、なにが美しいかということを、時に日本の建築物と海外の建築物を比較しながら解き明かす内容である(この本は40年も前のものなのだが、その論考が素晴らしいのは当然なのだが、実にレイアウトと写真、そしてイラストが素晴らしい)。著書の中で、美しい建築の事例として出てくるのは桂離宮である。それは、当然ながら京都にある。

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そして原氏の「白」。これは、白という色について、白とは何なのかということへの論考である。著者は、白は色ではなくて、空白、空虚、エンプティネス(空洞)と捉えて議論を始める。その中に龍安寺の石庭がでてくる。いうまでもなく、それは京都にある。

白
(2008/05)
原 研哉

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桂離宮と龍安寺石庭。そして、以前から行きたいと思っていた銀閣寺と利休の茶室である待庵も行こう。潜在的な京都思考が一定期間の熟成により発酵した。

だが、挫折する。ネットで調べて見ると、桂離宮と待庵は事前予約が必要でさっと行ってお金を払って見れるというものではないらしい。そして、銀閣寺もお休みだという。残るは龍安寺石庭。これだけのために京都へ?

そしてひらめく。佐川美術館の楽吉左衛門館へ行こう。佐川美術館は滋賀県。京都と滋賀県は隣接しており、京都駅から電車で10分も東へ向かえば滋賀県である。時計は深夜十二時、すでに土曜日、ホテルを予約し、眠る。


午前9時、東京駅、のぞみで西へ向かう。京都まで約2時間。この時間を利用して今日の京都旅行のスケジュールを組む。竜安寺と佐川美術館を「必達の場」と勝手に名づけ、昨日購入したおしゃれな京都観光ブックから、行きたいところを「必達の場」に肉付けしていく。とりあえず、本日のスケジュールは見事に組まれた。京都まで一眠りである。
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